次世代標準EDI

XML-EDIに対応した多機能インターネットEDIサービスを提供します

図:次世代標準EDI

流通BMSへの取り組み

サイバーリンクスは、2005年より経済産業省の流通システム標準化事業に運営・技術支援企業として参画しています。
流通システム標準化事業とは、メーカー・卸売・小売の間で個々に実施されている電子商取引(EDI)の方式を標準化し、 今後、日本の流通業界において使用する唯一のEDI標準(流通ビジネスメッセージ標準)として全ての流通業者が利用することで、 ローコストかつスピーディにインターネット上で商取引を行い、またサプライチェーン全体の取引の効率化、最適化を図ることを目標としています。

サイバーリンクスは、流通最大手卸の三菱食品株式会社様と各小売業者様との受発注データ運用を担当し、既に2007年2月より菱食様−イオン様、 3月より菱食様−平和堂様、4月より菱食様−CGC様間のEDI実証プロジェクトが始動、従前の受発注システムと平行しEDI標準での受発注システムが稼動を始めています。
当プロジェクトは実際の業務運用環境下で行われており、実証プロジェクト終了後は、従前のシステムから新EDIシステムへ順次移行いたします。

システム構築には株式会社データ・アプリケーションのB2Bインテグレーション・サーバ「ACMS E2X」とデータ変換ツール「AnyTran」を使用しました。

導入事例:(出典:株式会社データ・アプリケーション)

次世代流通EDIシステムを構築 ACMSとAnyTranでGMS大手とつなぐ

稲垣 登志男 氏
株式会社菱食
戦略機能部門 (IT・ロジスティクス)統括 ITネットワーク本部
本部長代理/理事 
稲垣 登志男 氏
水間 乙允 氏
株式会社サイバーリンクス
リテイルネットワーク事業部
データセンタ部 部長
水間 乙允 氏

大手加工食品卸の株式会社菱食(以下菱食)は2006年秋から2007年夏にかけ、流通業界の次世代EDIシステムを構築。大手小売業とのシステム間連携を可能とした。

新システムは、DALのB2Bインテグレーション・サーバ「ACMS E2X」とデータ変換ツール「AnyTran」を使って構築された。

インテグレーションと運用はデータセンター事業者の株式会社サイバーリンクス(以下サイバーリンクス)が担当し、菱食とイオン株式会社、株式会社平和堂の各拠点間をインターネットで接続する ASPサービスを提供。XMLベースの新しいメッセージ交換を実取引に適用した。

ものづくりのコーディネータになる

「川上であるメーカーの原資材コストの上昇によるインフレ、一方で、オーバーストアによる低価格競争に陥ったデフレの小売業、それに合間った社会現象である人口減少にて卸売業は川上と川下の厳しいサンドイッチ状態にて粗利益低下に歯止めが掛からない。

メーカーが作ったものを“早く・安く・安全に届ける”という20世紀型のビジネスモデルではもう成り立ちません」‐日本の卸売業の現状をこう説明するのは、菱食の情報システムを統括する稲垣 登志男理事だ。 

 日本の卸のコンソリデーションは一巡し、M&Aの波は卸売業からメーカー、そして資産的優良なメーカーへと広がっている。食品卸トップ10社の決算は、ほぼどこも増収減益。競争局面が多様化する中、卸の役割自体に見直しが迫られている。

そうした中で菱食は、2010年に向けた長期経営戦略「EVOLUTION 21」を推進。「激しく変化する“生活者の好み”をいち早く察知し、メーカーのモノづくりのコーディネータとなること」(稲垣理事)を目指している。つまり、多品種少量型に向かうデマンド・バリューチェーンの制御機能を司ることだ。

 「この経営戦略にITが貢献するには標準化が不可欠」と考えた稲垣理事らは、新しいEDI規格「流通ビジネスメッセージ標準」(流通 BMS)※1の策定に積極参加した。2006年には、大手の小売業と卸企業13社の共同による実証プロジェクトがスタート。その一環として菱食は、イオンと平和堂との間に次世代EDIシステムを構築した。 

共同プロジェクトの目的は「断じて実証“実験”ではなかった」と稲垣理事は強調する。当初から実ビジネスへの適用を想定したプロジェクトに率先して菱食が挑んだ背景には、「進んでリスクを取りに行く先取の企業風土がある」という。

社内システムがシェアドサービスか?

最初の大きな選択は、社内システムとして構築するか、アウトソーサに委ねるかだった。標準化活動に参加する卸企業の中で意見が分かれた背景には、新しい流通BMSが業界全体にどこまで受け入れられるか、どの程度の追加仕様が発生するかについての見通しの違いがあった。

稲垣理事らが重視したのは、将来のビジネスの変化に対し、いかに少ないコストで柔軟に対応し続けるかだった。隙のない仕様を固め、巨費を投じてメインフレーム上にハードコーディングし、何十年も使い続ける時代は終わった。ASPやSaaS(Software as a Service)を積極活用することで、変化対応のコストとリスクを社外に切り出す道を選んだわけだ。2006年10月のことだ。

実際、流通BMSには早くも拡張提案が寄せられ、一部検討作業も始まっている。対象商材を生鮮品やアパレルへ広げ、対象業界を百貨店やドラッグストアにも広げる取り組みだ。EDI接続を社外のシェアドサービスへ委ねれば、将来の取引先の拡大にも、より柔軟に対応可能となるだろう。

4つの選択肢の中からACMSを採用

実装方法については、4社の提案を比較した。まず、「1500万円かけて社内に構築しましょう」というメインフレーマの提案を退けた。残る3つの国産EDIパッケージのうち、有力候補2製品を巡って菱食社内の評価は分かれた。

このときDALの「ACMS E2X」を強く推したのが、小売業向けSaaS事業に実績のあるサイバーリンクスの水間 乙允部長だった。同社のノウハウは、通信プロトコルまわりよりも業務ロジックにある。その点「DALの考え方は明確」(水間部長)で、標準プロトコルの上にプロセスフロー制御やジョブ管理の仕組み、各種APIセットを充実させている。

もう1社の製品は業務ノウハウが作り込まれている半面、カスタマイズの自由度が制限される。つまりACMSの方が、自社の強みを発揮できると見たわけだ。

興味深いのは、SaaSベンダにとってのACMSのこうした利点を、ユーザー企業である菱食側が製品選択の決め手と捉えたことだ。稲垣理事らはサイバーリンクスを単なる業務の委託先ではなく、XML-EDI の普及をWin-Winで進めるパートナーに選んだわけだ。

AnyTranで大量データを高速変換

新システムは和歌山県にあるサイバーリンクスのデータセンターに置かれ、群馬県館林市のデータセンターにある菱食の基幹システムと、イオンおよび平和堂の物流拠点を接続。「当社にとっては驚くほどのデータ量でした」と水間部長は吐露する。

新システムはインターネット環境の上で、高い可用性とセキュリティ、企業間トランザクションを保障する必要があった。さらに問題となったのは、データ変換のレスポンス時間だった。流通業界で最大級のトランザクション件数となるだけでなく、回線のブロードバンド化に伴い、送受信ファイルのサイズも大型化するからだ。 

この課題解決に役立ったのがAnyTranだ。「他社のEAIツールと比較してAnyTranは非常に高速で、ebMS(ebXML Message Service)対応製品ではおそらく最速。数十メガバイトのファイルを1分以内で変換できます」と水間部長は話す。

また、小売からのメッセージを菱食社内に取り込む部分では、オプションフィールドのあるXMLとは別に、従来からの独自フォーマットも生成するようにした。社内マスタを呼び出して、既存アプリケーションをそのまま新EDIへ対応させるためだ。

ACMSの柔軟性とSaaSでebMSの裾野拡大へ

2006年12月にはプロトコルテストを実施し、2007年2月までに 3社のシステム間を連携。3月から並行運用に入り、7月からいよいよXML-EDIに全面移行する。但し、在庫情報などのために、一部JCA を残さざるを得ないとのことだ。

稲垣理事は将来構想について、「新システムがビジネス上の価値を出すのはまだ先の話。地方のGMSや中小食品スーパーがXML-EDI に切り換えて初めて本当の“標準”となり、大きな可能性が広がります。その面でも、ACMSの柔軟性とサイバーリンクスのASPサービスに期待しています」と語っている。

※1 流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)Ver 1.0
流通BMSは、流通業界の次世代標準EDIのガイドライン。経済産業省の「流通システム標準化事業」の一環として、同省の委託を受けた(財)流通システム開発センターを軸に、日本チェーンストア協会や日本スーパーマーケット協会が共同で2003年に標準化活動を開始した。この動きに日本GCI推進協議会のXML-EDIワーキンググループが合流し、2007年4月にバージョン1.0を正式リリースした。

ページのトップへ

お問い合わせ

株式会社サイバーリンクス