医療情報連携基盤システム「Open LINK for EHR™」をオープンソースソフトウェアとして提供
2017年8月7日
サイバーリンクスは、様々な医療機関等の医療情報データを相互連携し、円滑な情報連携・データの利活用を支援する「Open LINK for EHR™」をオープンソースソフトウェアとして提供することといたしました。
「Open LINK for EHR™」は、各地域の病院と、診療所・調剤薬局等の小規模医療機関等が保有する様々な種類の健康・医療に関するデータをクラウドで連携します。平時には病院と診療所・薬局等が保有する患者ごとの診療情報を一画面に表示することで効率的な医療活動を支援し、また災害時には遠隔地にバックアップされたデータを参照する“災害時モード”により診療情報を共有し、災害時・緊急時の医療活動を支援いたします。
1.背景・経緯
当社は2005年度総務省「インターネットのIPv6への移行の推進のための実証及び調査研究に係る請負」におけるIPv6プロトコルによる地域医療情報ネットワークの実証をはじめとし、IT技術を活用した和歌山県保健医療分野における地域連携を長年にわたり支援してまいりました。
2012年には厚生労働省が進める「ICTを活用した地域医療ネットワーク事業」の関連施策「医療情報連携・保全基盤推進事業」において、和歌山県立医科大学が実施主体となり、和歌山県の支援と和歌山県内の病院が参加する“きのくに医療連携システム「青洲リンク」”(以下、「青洲リンク」)の開発を行い、2013年より「青洲リンク」の参加病院から本システムの運用を受託しサービス提供を行ってまいりました。
東海・東南海地震に備えた「青洲リンク」は、より多くの地域での災害時医療支援、平時医療情報連携で活用することを想定し、オープンソースソフトウェアとして開発し、4年間の安定稼働を通して機能の充実に注力してまいりました。
近年、医療の高度化・多様化、患者ニーズの多様化に伴い、病院完結型医療から地域完結型医療への転換が求められております。このような中、当社は医療情報連携基盤の普及および発展に寄与するため、「青洲リンク」のソースコードを、医療情報連携基盤システム「Open LINK for EHR™」としてオープンソースライセンス(AGPL)として提供(2017年9月下旬予定)することといたしました。
2.「Open LINK for EHR™」について
(1)「Open LINK for EHR™」の機能
- 各地域の医療機関、検査センター、調剤薬局等が保有する様々な種類の健康・医療に関するデータをクラウドで連携し、平時には病院と診療所・薬局等で保有する複数の診療情報を一画面に表示し双方向の医療連携を行うことで効率的な医療活動を支援いたします。また災害時には災害時システムで診療情報を共有し、災害時・緊急時の医療活動を支援いたします。
- データは「厚生労働省標準規格」として認定された、診療情報の標準仕様「SS-MIX2形式※」に変換し、収集します。
- SS-MIX2標準化ストレージに集約されたデータを、電子カルテのベンダーに関係なく閲覧できるビューア機能を提供いたします。
- 災害時に備え、SS‐MIX2の診療情報を遠隔地のデータセンタでバックアップします。
※ 診療情報を他システムとの交換や医療連携で利用するための標準的な規格。
「Open LINK for EHR™」の概要図
※PACS:医療用画像管理システム(Picture Archiving and Communication Systemの略)
(2)「Open LINK for EHR™」の名前の由来
当社は、業界に特化した共同利用型クラウドサービス「シェアクラウド」でITコストの削減と経営の効率化を支援しております。また当社のサービスコンセプト「LINK Smart~もたず、つながる時代へ~」のもと、いつでも、どこからでも利用可能なサービスを提供しております。
「Open LINK for EHR™」は、データの秘匿、安全性を担保しつつ、情報を利活用することで、より「便利に」、「開かれた」情報通信連携を実現することをイメージした「Open LINK」と、電子健康記録を表す「EHR(Electronic Health Record)」をミックスしたものです。
3.お問合せ
サイバーリンクス 公共クラウド事業部 公共運用1課
和歌山県海南市南赤坂7番地1(海南支店)
TEL:073-484-3621
以上