経営情報

トップメッセージ

東社長

皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
また、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。

2024年12月期におけるわが国経済は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復しております。先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善下で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されます。一方で、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、アメリカの今後の政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。

当社グループがサービスを提供する市場におきましては、人口減少等の社会構造の変化、コロナ禍を契機とした生活様式や働き方の多様化への対応等から、DXやデジタル化に向けた投資意欲は旺盛に推移しております。

流通食品小売業においては、物価高が長引く中で消費者の「節約志向」「買い控え傾向」が一層強まっていることに加え、仕入価格や光熱費の高騰等によるコストの増加等、厳しい状況が続いています。中長期的な視点に立てば、人口減少に伴う市場縮小の脅威にさらされており、また、業種・業界の垣根を越えた競争の激化や既存企業間の出店競争、人材不足や人件費上昇といった問題に直面しております。このように厳しさを増す経営環境を打開するには、DXの推進等により、店舗運営の効率化や、卸売業・製造業との連携によるサプライチェーンの最適化など、生産性向上に向けた取組を進めることが不可欠となっております。

また、物流の「2024年問題」を受け、企業間の壁を越えた物流の効率化に取り組む動きがあるなど、非競争領域における協業や共同利用の考え方が広がりつつあります。

官公庁においては、総務省から示されている「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」に基づき、官公庁・自治体のDXの進展が期待されます。具体的には、自治体の基幹業務システムの統一・標準化について2026年3月迄にガバメントクラウドを活用した標準準拠システムへの移行を目指す方針が示されております。また、マイナンバーカードと健康保険証や運転免許証との一体化をはじめとするマイナンバーカードの普及・利用促進により、住民サービスの向上と行政の効率化が加速するものと考えられます。

さらに、コロナ禍を契機にはじまった商慣習の変革に伴い、紙・対面に基づく様々なやりとりをサイバー空間において実現するためのデータ流通基盤となる「トラストサービス」へのニーズは飛躍的に高まっており、簡易かつ信頼性の高いサービスが急速に普及していくと考えられます。

携帯電話販売市場においては、携帯端末の高価格化等による買い替えサイクルの長期化や、オンラインショップでの販売や中古端末の販売により、店頭での販売台数が減少傾向にあります。一方で、店舗数・店舗規模については、マーケットに合わせた戦略的な出店、効率化の方針が示されており、依然として厳しい環境が続いております。

今後については、5Gサービスによる新たな需要の拡大や、2026年3月に予定される3Gサービス終了に向けた端末買い替え需要などの事業機会も見込まれます。

このような状況のもと、「LINK Smart〜もたず、つながる時代へ〜」をブランドコンセプトに、「シェアクラウド(共同利用型クラウド)」による安心、安全、低価格で高品質かつ高機能なクラウドサービスの提案を積極的に進めてまいりました。

また、当社は、WorkSmart「一人ひとりが主役〜健康で活き活きと働きがいのある職場づくり〜」をビジョンに掲げ、2024年度は最大8.1%(全社平均3.5%)の給与水準の引き上げや本社オフィスの改装を実施しました。

今後も持続的な待遇向上をはじめ、人的資本投資を進めてまいります。

今後の経済動向につきましては、コロナ禍を契機に多様化した生活様式や働き方が定着し、あらゆる産業において新たなビジネスモデルの展開が加速しております。各企業は競争力を維持・強化するために、DXを迅速に進めており、特にクラウドサービスやAI等に関する投資需要が高まり続けております。また、官公庁・自治体においても、総務省が示している「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」を背景に、生産性向上や業務効率化を目的とした投資が続くものとみられます。

一方、労働市場においては、DXの進展に伴いデジタル人材の需要が高まり続けており、当社グループを含む情報サービス業界においても優秀な人材の確保や育成などの課題に直面しております。これらの課題に対応するため、働きがいのある職場環境の整備や、アプリケーションを迅速に開発するローコード、ノーコード開発手法の積極的な活用等による開発効率の向上、業務フローの自動化による運用の省人化などの取組を推進することが求められております。

このような経営環境のもと、当社グループは、2025年度を最終年度とする「中期経営計画(2021年度〜2025年度)トランスフォーメーション2025(2023年2月見直し版)」に基づき、「LINK Smart〜もたず、つながる時代へ〜」というブランドコンセプトのもと、「シェアクラウド(共同利用型クラウド)」による安心、安全、低価格で高品質なクラウドサービスの充実と積極的な展開を図り、当社グループのさらなる成長の実現に取り組んでまいります。

今後も皆様方のご期待にお応えできるよう、更なる業容の拡大と継続的な企業価値の向上に努めてまいりますので、引き続き変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

2025年3月
株式会社サイバーリンクス
直筆サイン