経営情報

トップメッセージ

皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
また、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。

このたび、株式会社サイバーリンクスの社長に就任いたしました東直樹でございます。

当社グループの更なる成長・発展に向けて全力を尽くす所存ですので、何卒よろしくお願い申しあげます。

2023年12月期におけるわが国経済は、一部に足踏みもみられるものの緩やかに回復しております。先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善下で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されます。一方で、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。さらに、令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要があります。

当社グループがサービスを提供する市場におきましては、人口減少等の社会構造の変化や、ウィズコロナへの対応等から、デジタルトランス・フォーメーション(DX)やデジタル化が急速に進んでおります。

流通食品小売業においては、原材料や物流費の高騰を背景とする仕入価格の上昇に加え、足元では光熱費等の高騰にも直面しており、コストの吸収に苦慮しています。中長期的な視点に立てば、人口減少に伴う市場縮小の脅威にさらされており、また、業種・業界の垣根を越えた競争の激化や既存企業間の出店競争、人材不足や人件費上昇といった問題に直面しております。このように厳しさを増す経営環境を打開するには、DXの推進等により、店舗運営の効率化や、卸売業・製造業との連携によるサプライチェーンの最適化など、生産性向上に向けた取組を進めることが不可欠となっております。また、「2024年問題」をはじめとする物流危機が迫るなか、企業間の壁を越えた物流の効率化に取り組む動きがあるなど、非競争領域における協業や共同利用の考え方が広がりつつあります。

官公庁においては、総務省から示されている「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」に基づき、官公庁・自治体のDXの進展が期待されます。具体的には、ガバメントクラウド(注)を活用した自治体の基幹業務システムの統一化・標準化や、マイナンバーカードと健康保険証の一体化をはじめとするマイナンバーカードの普及・利用促進により、住民サービスの向上と行政の効率化が加速するものと考えられます。

さらに、コロナ禍を契機にはじまった商慣習の変革に伴い、紙・対面に基づく様々なやりとりをサイバー空間において実現するためのデータ流通基盤となる「トラストサービス」へのニーズは飛躍的に高まっており、簡易かつ信頼性の高いサービスが急速に普及していくと考えられます。また、デジタル庁における令和5年度予算において、「Web3.0(注)の推進に向けた環境整備に係る経費」が盛り込まれるなど、分散型のデジタル社会の実現に向けて、国を挙げての環境整備が進もうとしています。

携帯電話販売市場においては、通信キャリア各社がオンラインショップで端末をユーザに直接販売する動きを活発化させております。また、株式会社NTTドコモによるエリア毎のドコモショップを適切な店舗数・店舗規模に見直す方針の発表や、ドコモショップへのインセンティブ体系の変更など、依然として厳しい環境が続いております。一方で、5Gサービスの拡大による新たな需要や、2026年3月に予定される3Gサービス終了に向けた端末買い替え需要などの事業機会も見込まれます。また、ドコモショップが地域のICTサポート拠点としての役割を担うことも期待されております。

このような状況のもと、「LINK Smart~もたず、つながる時代へ~」をブランドコンセプトに、「シェアクラウド(共同利用型クラウド)」による安心、安全、低価格で高品質かつ高機能なクラウドサービスの提案を積極的に進めてまいりました。

また、昨今の物価高が続く情勢等を踏まえ、社員が安定した生活を送ることができるよう、全従業員を対象に給与水準の引き上げ(ベースアップ及び昇給)を行いました。今後も引き続き、「健康で活き活きと働きがいのある職場づくり」を重要課題(マテリアリティ)と捉え、人的資本投資等の取組を進めてまいります。

今後の経済動向につきましては、コロナ禍を契機とした生活様式や働き方の多様化に伴い、あらゆる産業において、新たなデジタル技術を使ったこれまでにないビジネスモデルの展開が加速しております。各企業は競争力維持・強化のために、DXをスピーディーに進めており、足元では、クラウドサービス、AI等に関する投資需要が旺盛な状況が続いております。また、総務省より「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」が示されるなど、官公庁・自治体においても、生産性向上や業務効率化を目的とした投資が続くものとみられます。

一方、労働市場においては、DXの進展に伴い、デジタル人材の需要が高まっており、当社グループを含む情報サービス業界においては優秀な人材の確保が課題となっております。働き甲斐のある職場環境の整備などにより人材の確保に努めるほか、アプリケーションを迅速に開発するローコード、ノーコード開発手法を積極的に活用するなど開発効率向上への取組の推進が求められております。

このような経営環境のもと、当社グループはさらなる成長を実現するため、2023年2月14日に公表した「中期経営計画(2021年度~2025年度)トランスフォーメーション2025(2023年2月見直し版)」に基づき、「LINK Smart~もたず、つながる時代へ~」というブランドコンセプトのもと、「シェアクラウド(共同利用型クラウド)」による安心、安全、低価格で高品質なクラウドサービスの充実と積極的な展開を図り、当社グループのさらなる成長の実現に取り組んでまいります。

今後も皆様方のご期待にお応えできるよう、更なる業容の拡大と継続的な企業価値の向上に努めてまいりますので、引き続き変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

 

2024年3月
株式会社サイバーリンクス
直筆サイン